(A) 経済学の原著論文
1) R.Ishizaki and M.Inoue
Time-series analysis of foreign exchange rates using time-dependent pattern entropy
Physica A, Vol. 392, (2013) 3344-3350
(注:この論文で導入されたエントロピーによって経済ショック(リーマンなど)による各地(各部門)の震度(local index) が測られる;地震の強度の表示と類似した表現ができる)
2)R.Ishizaki and M.Inoue
Time-Series Analysis of Multiple Foreign Exchange Rates Using Time-Dependent Pattern Entropy
(Physica A, Vol.490, (2018) 957-974)
(注:この論文で導入されたエントロピーによって経済ショックのマグニィチュ-ド(global index)が測られる)
参考:(1)日本における経済学の研究活動の実態
(2)資料
(B) 最近の注目すべき「重要論文」
[1] Satosi Nakamoto:Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System
https://bitcoin.org/bitcoin.pdf
(2008年11月:暗号システムに関するメーリングリスト
The Cryptography Mailing List(metzdowd.com)に投稿された)
この僅か9頁の論文により金融革命(仮想通貨とブロックチエン技術)が起き社会が変革しつつある。軍事における核兵器に比すべきものかも知れない。
(*)この論文(ホワイトペーパー)の日本語による解説
(**)ビットコインに用いられている暗号技術
(***)暗号学的ハッシュ関数
ビットコインの開発は中央銀行等ではなく、民間の「開発者コミュニティ」
(https://bitcoin.org/ja/development)
で行われている。この「コア開発者」と取引の台帳のブロックの作成者(「採掘者」(計算に必要な計算機の電気代の安い中国に多い)それに「取引所」が利益を上げている(「取引所」がハッキングされて大きな問題を起こしている)。
(注0:Satosi Nakamoto(漢字表記は中本哲史?)の正体?
(1)https://www.youtube.com/watch?v=V_exuBksxsw、
(2)http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1403/07/news041.html)
(3)https://dmjtmj-stock.com/entry/2017/11/09/bitcoin_nakmotosatoshi
(4)Nick Szabo(ニック・サボ):ビットコインの前身 bitgold(ビットゴールド)を開発
(5)暗号通貨の作成者
(6)ビットコイン創立者の正体(アメリカの社会学者 テッド・ネルソンの面白い憶測)
(7)「サトシ・ナカモト」の正体(ニューコート(ロスチャイルド)の陰謀説)
(注1:この論文に基づき、暗号化専門集団が「コア開発者」となり(誰でも会員になれない、仲間に認められた特定の専門家のみに限定されている:ソフトはオープンソースでプロトコルの変更は誰れでも提案できるが変更の承認は特定の人のみ)ビットコインを運営(マイニング、インフレ管理(発行残高限度が2100万ビットコインとプロトコル)、財布のソフトなどの取り決め)している。最近、チエン・ブロックの承認のルールが新・旧のソフトで異なっていたことによりチエンが二つに分岐した(2013年3月)がこの時は、コア開発者の提案が承認され分裂は免れた。しかし、2017年8月1日には遂に採掘者間同志とコア開発者の利害が対立して2つのチェーンが両方存在するハード分岐を起こした。!
ところで、国家管理でない、複数の通貨が競争することはハイエクの貨幣自由化論では望ましい。しかし、政府が管理できない通貨は政府の規制と対立してくる。これが今後の大きな問題である。)
(注2:この論文で導入されたブロック・チエン(block chain)技術は、中央管理システムに依存しない相互管理システムに応用できる画期的な技術である。)
(注3:量子コンピュータが実用化されると暗号解読の困難性が軽減して公開鍵を基に、秘密鍵を割り出せ、またマイニングの在り方に変化が生じるかも知れない。「暗号化と解読は鼬ごっこ」計算に必要な膨大な電力は節約される?量子コンピュータ耐性のある電子署名の例(ランポート))
(注4:暗号通貨の歴史: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%97%E5%8F%B7%E9%80%9A%E8%B2%A8、
サイファーパンク(暗号技術の活動家)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%AF)
(注5:デジタル・ゴールド(副題:ビットコインその知られざる物語):ナサニエル・ポッパー;日本経済新聞出版社)
(注6:ビットコインとブロックチェンの思想;現代思想 2017年vol.45-3(青土社))
(注7:創設期からのコア開発者の一人ギャビン・アンダーソン(Gavin・Andresen)
(http://xn--eck3a9bu7cul.pw/articles/WK3Zk)(注8:取引所の創設者:ジェド・マケーレブ
(注9:その他の人
https://mastand.com/key-person-bitcoin/
(注10:ビットコイン百科事典:http://xn--eck3a9bu7cul.pw/)
(注11:サイエンス 2018年5月号:仮想通貨の科学-ブロックチェーンの威力と弱点)
(注12:電子サイフ:ノアコイン NOAHCOIN)
(暗号通貨に関する初等的解説:「和気 厚至」による解説
(注13:NHK ドキュメンタリー《 ビットコイン最前線》)
[2] Rama Cont:Volatility Clustering in Financial Markets:
Empirical Facts and Agent-Based Models (2005年)
http://www.proba.jussieu.fr/pageperso/ramacont/papers/clustering.pdf
(注1:応用数学者 Rama Contが Ecole Polytechnique (現在はImperial College London)にいた時に書いた論文。大きな変動の後に大きな変動が続く(Volatility Clustering:我々の論文では高エントロピー領域が塊として現れる)ことはMandelbrotが1963年の論文で議論していた。また、オプション取引の恐怖指数
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%90%E6%80%96%E6%8C%87%E6%95%B0)
はVolatilityを元に計算されている。)
(注2:この論文では、Agent が買う時は「1」、売るときは「-1」、何もしないときは「0」とデジタル化している。どれになるかはニューロンと同じで内部電位に対応するものが閾値と比較して行われている。このような、市場では Volatility Clustering が起きる事を示した。)
(注3:我々論文では2値化は、観測される複雑な経済時系列を有意味な時系列に変換する為に2値化をしている。雑音を排除しある一点の時刻の値(音符)をある幅の中で意味づけ(メロディー、和音、コード進行)が分かるように変換する(音符自体の振動数も観測幅が必要)。一点の値が周りから解釈される、文脈から意味をとる。我々のエントロピーを投機予測に用いる場合も、時系列を音楽に例えて解釈した方がよい。(相場師は市場の音楽を適切に読むことが必要) 素の時系列のある時刻の意味が閾値、幅などのパラメーターを適切に選ぶと雑音がスクリーニングされ我々によく分かるようになる。パラメータの選び方は適切な色、強度、乱視矯正の眼鏡の選び方に例えられる。)
[3] Nobuhiro Kiyotaki and John Moore : Credit Cycles (1997),
http://www-users.york.ac.uk/~psm509/ULB2012/KiyotakiMooreJPE1997.pdf#search=%27Credit+Cycles%27
(注:経済ショックが生産性低下の循環を招くという「清滝・ムーアモデル」。これは日本のバブル崩壊で起こったこと。)
[4] Marco Del Negro,Gauti Eggertsson,Andrea Ferrero and Nobuhiro Kiyotaki
The Great Escape? A Quantitative Evaluation of the Fed’s Liquidity Facilities
(Staff Report No. 520 October 2011 Revised May 2016)
https://www.newyorkfed.org/medialibrary/media/research/staff_reports/sr520.pdf
(注:清滝・ムーアモデルを拡張したモデルで「リーマン・ショック」(2008 U.S.financial crisis)の時にFRB(米国銀行制度:中央銀行)が行った「非伝統的金融政策」により「大恐慌」(the Great Depression)から脱出できたことがシミュレーションから示せた。 イギリスでは経済学者がショックを防げなかったことを女王から叱責された)
最近、日銀行っている「非伝統的金融政策」はこれと同じである。金利を下げで行う金融政策が限界に達したので、「中央銀行が、民間が持つ非流動的な資産と自らの流動資産を交換する」。(金融危機とは、流動性の制限が突如として高まる現象(例:資産価値(担保力)が高くなり、土地が売れなくなる))
参考資料:年賀状に書いた、経済社会状況
(1) 年賀状(平成29年:2017年)
明けましておめでとうございます
今年も皆様にとって良い年になりますように祈っています
蒸気機関と鉄道による産業革命が起き資本主義が大転換したように、コンピュータとネットを基盤とした金融革命(仮想通貨、ブロック・チエーン技術、高速ロボ・トレーダー)による大転換が始まりました。適切な制御をしないと社会が混乱します。「機械に支配されない、足るを知る」社会を模索したい。
(春) 刀剣の 春はアケボノ ツツジなれ
桃色にほふ 柔き花びら
(夏) 梅雨明けや 沙羅の花咲く えびの岳
眩しき空に 白き花咲く
(秋) 紅の 木の葉舞い散る 栗野岳
きみ忘れるや あの秋の日を
(冬) 新年の 扉を開く 初登り
光る海見ゆ 御崎山
平成29年元旦
(注1:株や為替の自由な売買が(高速ロボ・トレーダーなどの出現により)制限されると資本主義が根本的に変質する)
(注2:数学者であるジェームズ・シモンズや物理学者等によるヘッジファンドであるルネサンス・テクノロジーズ(高速ロボ・トレーダーの極致)は巨額の金を世界の金融界から獲得している。つまり日本の金の一部もここに吸い取られている、これを今のところ規制できない。取引をするコンピュータを証券会社の近くに設置し光の速さでの時間差も問題にしている。)
(注3:ブロック・チエーン技術により経済的価値を信頼を保証されてインターネットで送ることができる。銀行業務や登記などに応用できる。)
(2)年賀状(平成30年:2018年)
明けましておめでとうございます今年も皆様にとって良い年になりますように
人類の過剰な発展により、地球が狭くなり、国や民族の対立が熾烈になってきました。日本の経済は「流動性の罠」に嵌まり大変です。気象と異なり経済はある程度人が制御できます。最近、経済現象(リーマン・ショック)の解析を石崎龍二さんとしています(Physica A 490(2018) 967; 392(2013) 3344)。
(春) 冬こもり 春さり来れば 金縷梅の
黄金の花に 人もこそ集へ
(夏) 吹上の 浜より拉致され 北国へ
などてあの日の 夕日うつくしき
(秋) 外輪の 山の木の間に 湖あり
秋の水溜め 静かに眠る
(冬) 寒入れど 野点の熱き 茶に憩う
藺牟田の池の 山を歩きて
平成30年元旦
(注:マネーの流動性は金利だけでなく、信用創造の活性度によっても変化する)